PRICE RESEARCH
相場表の数字ではなく、自車と比べられる実績を探します。
ネット上の価格には、買取実績、販売価格、概算価格、現車査定額が混在しています。高額な1台事例や2t・4tといった車格だけの相場表は、そのまま自車の基準にはできません。
価格の種類を分け、条件が近い実績3件から仮の相場レンジを作れます。さらに、複数社の査定額との差が車両条件で説明できるかを判断できます。
結論|価格表だけでは自車の相場は決まらない。査定額を比べる基準を作る
車格だけの価格表は入口にはなっても、売却額の根拠にはなりません。ここで作るのは価格予測ではなく、提示された査定額を同じ条件で比べるための基準です。
ネットで見る4種類の価格は同じではない
検索結果に出てくる「相場」には、少なくとも4種類があります。最初に分けておくと、極端に高い数字や低い数字へ引っ張られにくくなります。
横にスクロールして確認できます。自分に該当する行・列だけ見てください。
| 価格の種類 | 分かること | 注意点 |
|---|---|---|
| 公開された買取実績 | その業者が過去に買い取った個別事例 | 掲載条件が省略されている場合がある。1社の実績は市場全体ではない |
| 業者独自の基準価格・概算 | その業者が示す条件別の目安 | 算出方法、更新日、対象条件を確認する。確定額ではない |
| 中古車の販売在庫価格 | 現在売り出されている価格 | 買取額ではない。整備、在庫、輸送、販売側の費用や利益を含み得る |
| 現車確認後の査定額 | 申告内容と実車を確認した時点の提示 | 有効期限、引取条件、後から変わる条件を確認する |
特に注意したいのが販売在庫価格です。販売価格の「7割」「8割」など、一定の割合を掛ければ買取相場になるとは限りません。業者の整備費、輸送費、在庫期間、販路、車両状態が分からないからです。
販売在庫は、同じ仕様の車両が市場にあるか、どの条件が説明項目になっているかを見る材料にはなります。ただし、買取実績や査定額と同じ列には入れず、価格の種類を分けて記録します。
自分のトラックの相場レンジを作る6手順
車検証から基本情報を写す
まず、車検証または自動車検査証記録事項を手元に置きます。国土交通省の電子車検証案内では、車名・型式、車体の形状、最大積載量、車両重量、初度登録年月などを確認できます。国土交通省「電子車検証について」
相場調査用のメモには、次の項目を写します。
- 車名・メーカー
- 型式
- 初度登録年月
- 車体の形状
- 最大積載量
- 車両重量・車両総重量
- 車検の有効期間
「2tトラック」の一言だけで探すと、積載量は近くても型式や車体の形状が違う車両が混ざります。型式が分かれば、公開実績を絞る精度が上がります。
電子車検証の券面で確認できない項目は、ICタグの情報または交付時の自動車検査証記録事項で確認します。
架装・上物を特定する
次に、荷台や上物を確認します。平ボディ、アルミバン、ウイング、ダンプ、クレーン付、冷凍冷蔵車、車載車では、用途も買い手も異なります。
可能なら、上物の銘板や仕様書から次を控えます。
- 架装・上物の種類
- メーカー
- 型式
- 製造年
- 荷台の内寸
- クレーン、パワーゲート、冷凍機などの装備
- 能力や設定温度など、装備固有の仕様
車台が似ていても、上物が違えば別条件です。相場を探すときは、メーカー名より先に「車格+架装」をそろえると、比較しにくい事例を減らせます。
走行距離・稼働時間・車検残を記録する
走行距離はメーターの表示値だけでなく、記録との整合も見ます。
記録する項目は次のとおりです。
- 現在の走行距離
- メーター交換の有無
- 交換した場合の交換前・交換後の距離
- 特殊車両や機械なら稼働時間
- 車検満了日
距離が近くても、架装や状態が違えば同じ相場にはなりません。走行距離は単独で見るのではなく、年式と架装をそろえた後の比較項目として使います。
車両と上物の状態を同じ基準で書く
状態は「きれい」「問題なし」では比べられません。場所と症状に分けて記録します。
- エンジン、ミッション、警告灯
- オイル・冷却水・エアなどの漏れ
- フレームの曲がり、亀裂、さび、腐食
- キャブ、荷台、床、扉、シートの損傷
- 修復歴と修復箇所
- タイヤの残りと偏摩耗
- クレーン、ダンプ、ゲート、冷凍機などの動作
- 欠品、後付け部品、改造箇所
不具合は査定時に初めて見つかるより、最初から同じ内容を各社へ伝えたほうが比較しやすくなります。写真を撮るなら、車両全体だけでなく、銘板、メーター、荷台、フレーム、タイヤ、損傷箇所も残します。
点検整備・修理記録をそろえる
点検整備記録簿、修理明細、部品交換の記録があれば、実施日と走行距離が分かるように並べます。
記録があるから一律に何万円上がる、とは言えません。ただ、交換歴や整備内容を説明できれば、査定する側が車両状態を確認する材料になります。
近い実績を集め、査定額で仮の比較レンジを更新する
車両条件をそろえたら、次の4動作で比較材料を作ります。
型式 架装 買取実績で検索する。型式が不明なら車種名を使う- 実際の買取実績で、車格・架装が一致し、年式・距離・状態の差を説明できる事例だけを「採用」にする
- 出典URLと確認日を記録し、条件が欠ける事例は「参考」に分ける
- 採用事例を3件集め、同じ車両情報で取った複数査定と並べる
3件の最小額と最大額は、売却額の予測ではなく、査定差を確認するための仮の比較枠として使います。
金額差が出たときに見直す順番
この順で見直します。差を説明できない事例は比較レンジから外して「参考」として残し、代わりに条件の近い買取実績を探してください。採用できる事例が3件そろったら、その最小額と最大額を査定額と比べるための仮枠にします。
車両条件・相場比較シートの作り方
まずはスマホのメモアプリへ、次の5項目をコピーしてください。実績1件を記録した後、必要なら下の詳細表へ広げます。
車種・型式: 架装・上物: 年式・走行距離: 実績URL・価格: 採用/参考・条件差:
枠内を選択または長押しして、メモアプリへコピーしてください。
詳細表は横にスクロールできます。自分に該当する列だけ確認してください。
| 比較項目 | 自車 | 事例A | 事例B | 事例C | 査定A | 査定B |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 価格の種類 | ― | 買取実績 | 買取実績 | 買取実績 | 概算/現車 | 概算/現車 |
| 価格・査定額 | ― | |||||
| 掲載業者・査定先 | ― | |||||
| 出典URL | ― | |||||
| 買取日・確認日 | ||||||
| 車種・型式 | ||||||
| 初度登録年月 | ||||||
| 最大積載量 | ||||||
| 架装・上物 | ||||||
| 走行距離・稼働時間 | ||||||
| 車検残 | ||||||
| 修復歴・不具合 | ||||||
| 整備記録 | ||||||
| 採用/参考 | ― | ― | ― | |||
| 不足している条件 | ||||||
| 条件差のメモ |
査定額を比べるときの3つの注意点
各社へ同じ情報を伝える
ある会社には不具合を伝え、別の会社には伝えていない状態では、提示額を横並びにできません。車両条件・相場比較シートと写真を使い、同じ内容を渡します。
近い時期に確認する
需要と供給、オークションの動きは変わります。数か月前の査定と今日の査定を比べるより、同じ週など近い時期にそろえたほうが差の理由を見やすくなります。
概算と現車確認後の提示を分ける
電話やフォームで伝えた情報だけの概算と、実車を見た後の提示は別の段階です。比較表には「概算」「現車確認後」を書き分けます。
金額以外の条件も同じシートへ書き足し、引取費用、入金時期、減額条件などを確認してから契約先を決めます。
よくある質問
走行距離が多いトラックは売れませんか
走行距離だけで売却可否は決まりません。全トラック共通の線引きは確認できないため、手順3と6のとおり、車格・架装・年式・状態が近い事例で確認します。
不具合は修理してから査定したほうがよいですか
修理費以上に査定額が上がるとは限りません。先に不具合を申告した状態で査定を取り、修理前後の扱いと費用を確認してから判断します。
日常清掃や積荷の片付けと、費用のかかる修理は分けて考えてください。
まとめ|車両条件・相場比較シートから始める
ネット上の価格は、車格・架装・型式・年式・距離・状態が近いものだけを比較に使います。最初から3件集めず、まず1件を記録してください。
